「カボチャ」について
カボチャは、キュウリなどと同じウリ科の植物で、我が国には16世紀中頃に、ポルトガル船でカンボジアからもたらされたものです。漢字では一般に「南瓜」と書きますが、「唐茄子(トーナス)」や「南京(ナンキン)」といわれることもあります。
種類は、大別して「東洋カボチャ」、「日本カボチャ」、「ペポカボチャ」があり、食料として種々加工して食卓にのぼり、家庭菜園でも夏の野菜として栽培が盛んです。一般地では、春に苗を育て夏~初秋に収穫し、冬まで保存することができます。食材としては、ビタミンAを豊富に含み、甘みも高く栄養価の高い野菜といえます。
写真を参考に栽培法を説明しますと、春に植えた苗が、生長し梅雨が明けて気温が上昇すると蔓がぐんぐんと伸びて畑いっぱいに広がり、葉も大きく育ちます。(写真A参照)この頃になるとたくさんの花が咲きますが、この花には雌花(写真B参照:付根に丸い実が付いている。)と雄花(写真C参照)があり、2つの花が交配して初めて立派な果実となります。
交配は蜂などの昆虫類が多ければ自然交配されますが、昨今は畑に昆虫が少ないので、人工交配させると実付きを良くすることができます。この人工交配は、朝早く気温が高くなる前に行う必要があり、まず雄花の花びらを取り去り(写真D参照)、この先を雌花の中心部(写真E参照)に接触させ花粉を付けるようにします。
交配が行われると雌花の花びらは萎み落下します(写真F参照)が、実は徐々に大きくなり成長果と同じ位まで肥大します。(写真G参照)この写真の種類は,完熟したときの果実の大きさが約700g位のミニカボチャですが、収穫は実が硬くなり色が濃くなって、根元の蔓にベージュ色の縦筋が多数入りこの部分がコルク状になってくる時期が目安となります。