「エンドウマメ」について
原産地が地中海沿岸地方といわれるエンドウマメは、ツターンカーメンの墓からも種が発掘され、現在でもその種が受け継がれて子孫が残っているようです。
この野菜は、仲間が多く、若莢を食べる「キヌサヤ」、実を食べる「グリーンピース」、莢と実を食べる「スナップエンにドウ」があります。また、多くはスイートピーに似た可愛らしい白い花をつけますが、紫色の花もあります。
一般地ではいずれも前年の秋に種をまき、小さい苗の状態で越冬させて育てます。(小シリーズの「農事便りVOL.8」の写真参照)
越冬して3~4月にかけて徐々に茎が伸びてきたら、株周りに少量の追肥を施し土寄せします。そして支柱を立てネットを張って茎を誘引するか、竹の小枝を立てたりして誘引して育てると、写真Aのように花を咲かせ、実が付きます。なお豆科の野菜は、根にできる“根粒菌”によって窒素分を固定する働きがあるので、肥料分はほとんど不要です。
このエンドウマメのうち、鞘を食べる「キヌサヤ」などは、さやの中の実が小さいうちに収穫し、さっと茹でてサラダやおしたしにしたり、卵とじ、野菜炒め、味噌汁やお吸い物にすると、“春の味”を存分に楽しむことがでます。
グリーンピースは、鞘の中実が大きくなり、硬くなる直前に収穫し、実を取り出して食します。
スナップエンドウは、さやも実も食べることができるので、さやと実の成長に合わせて食することができます。
最近では、エンドウマメの幼い苗の部分を「豆苗(トウミョウ)」として中華料理の材料として用いられるようにっており、これに適した種も売られています。