「サトイモ」の収穫
各地から“芋煮会”の便りが届きますが、このときに用いる芋の定番はなんといっても“サトイモ”です。
暦では“霜降(そうこう)”も過ぎ朝晩は肌寒さを感じるようになり、サトイモを掘り上げる時期となりました。目安としては、夏に青々としていた大きな葉が少し枯れ始めたり、傷が付き始めた頃です(写真A参照)。霜が降り始めると、葉が一気に黒く枯れてきますので、こうなったら急いで掘り上げる必要があります。(畑に埋めたままで寒気に当てると、実に斑点ができたりして味が落ちます。)
堀り上げは、数日間晴天が続き畑が若干乾いているときが、掘り起こしやすく適していると思います。まず掘り上げる株(写真B参照)の地面近くの茎を株元から切除し(写真C)、親株と子株外側の円(芋を傷つけないよう離れた)の数箇所に、スコップを深めに差し込み、土がぐらついてきたら、一気に掘り起こします。(写真D)
この状態で、子芋をほぐし取り分けて収穫します。普通は、親株(中心の太い芋)は硬いので除去しますが、この部分をじっくり煮込んで食することもあるようです。
なお、掘り上げた芋を来年の種芋に保存する場合は、冬季の寒さから守るための配慮が必要です。普通は、畑の隅(できるだけ水はけがよく、日当たりのよい場所)などに、埋め込む芋の量に応じた面積で、深さ1m程の穴をあけ、ここに掘り上げてまだ小芋をほぐしていない状態の芋の固まりを裏返しした状態(写真E参照)で、土中に収め上から土をかけ、上から雨水が滲みこまないように少し土を盛り上げ、その上に雨を遮るトタン板などを被せて固定します。
このようにして、冬季を過ごし春になったらそのまま堀上げ、分けて種芋として使用します。(分けた状態の芋を畑に埋めた場合、翌春までに寒さで腐敗してしまいます。また、芋の塊を裏返しする理由ははっきり分りませんが、このようにした方が保存に適しているようです。)