「冬の土つくり」
今年の冬は、暖冬予想に反し寒い日が多く、また関東以西の降雪回数も例年より多いようです。
春の訪れはまだまだと思っている方がいるでしょうが、今やっておくのが“冬の土つくり”です。種をまいたり、苗を植えたりする畑の土は、立派な作物を育てるベースとなるもので、春のシーズンのための準備として今の時期が大切です。降雪地域を除き、元気をだして屋外作業にチャレンジしてください。
1.腐葉土(堆肥)つくり
腐葉土(肥料分を含むものは堆肥)は、土壌の水はけ、水もち、通気性を改善する「土壌改良材」ですが、今の落葉の多い時期に作るのが便利です。集めた落葉を、コンポスター、ビニル袋、雨の入らない囲いなどに積み、水を散布すると共に米ぬか、ケイフン、油かす、牛糞などを散布しながらこの作業を繰り返して積み込みます。そして発酵が進むように、1~2ヶ月毎に積替え(切返し)て空気を内部に入れ、乾いていたら散水します。これを繰り返しながら半年~1年位すると発酵が進み、手で崩れる程になり臭いもしなくなると完熟です。なお、完熟前のものを使用すると、発芽や根に悪影響を及ぼしますので注意してください。写真Aは、1年ほど前に積み込んだ腐葉土(堆肥)の実物です。
2.寒ざらし
畑に残っている前作の枯れ枝・茎などを片付けた上で、苦土石灰を散布し、(100g/平方メートルでPHが約0.5上がる)スコップやくわを用い土を深く(30cm以上)粗起します。(写真B参照)このようにして寒気に当てると、土中に空気を含ませることができると共に病害虫の予防に役立ちます。この状態で、元肥を施す頃まで放置します。
3.天地返し
“寒ざらし”より一層効果的なのが、“天地返し”です。一般に畑の土の断面は、図に示すように[作土(表土)ー耕盤ー心土]の構造となっていますが、苦土石灰を散布した上で、心土までスコップを入れて、硬い耕盤の下の心土と作土とを入れ替える(天地返し)ようにします。この状態で、寒気に当てると土壌の入れ替えともなり、とても有効です。但し、この作業は広い畑ではかなりの重労働となりますので、無理なときは“寒ざらし”だけでも実施しましょう。