<野菜収穫シリーズ>
秋から冬にかけての畑では、根菜類や葉菜類など多くの野菜の収穫ができます。店頭に並んだ野菜を見ただけでは、どのような状態で育った野菜を収穫するのか想像できないものもあると思います。今回は秋・冬野菜の収穫の状況についてお知らせします。
「ピーナツ」の収穫
ピーナツは、5月に種をまき初夏に黄色い花を咲かせますが、花が落ちる盛夏のころになると結実する代わりに花のあった箇所から、1本づつ蔓を真下に伸ばし、その先端は土中に入り込み、実を付けるようになります。(これが“落花生”といわれるゆえんです。)
10月中下旬頃、葉が少しずつ枯れてくる(写真A参照)ので、収穫を始めます。このとき蔓の先端は土中に埋まっています(写真B参照)。そして、株をつかんで引き抜くと蔓の先端に実が付いて土から出てきます。農家では、これを実の付いている方を上にして畑に1ヶ月ほど放置(写真C参照)し、乾燥させますが、今では鳥にねらわれたりするため、防鳥ネットなどをかぶせたりしています。
家庭菜園では、堀上げた実(写真D参照)を、蔓から採って軽く水洗いして土を落とし、その後乾燥させるのが良いでしょう。乾燥は、大きなザルなどに広げ日光によく当て、殻を振ったとき“カラカラ”と音がするまで十分に行います。保存する実は、よく乾いたものとし、十分肥大したものの一部は来年の種として保管するのが良いでしょう。このとき、十分に肥大しておらず、ネットがなく表面が滑らかで形も小さい未熟なものは、生育不十分で乾燥させても美味しくないので、処分します。